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執筆者の写真阿部実

特技を見つけて自信を持つ〜その1〜

今回は結構真面目に書きます。


ドラム、ギターを弾く、バンドをやる。

キラキラしたステージで人前でカッコよく演奏して歓声を浴びる。


TVやYoutubeで見る人たちはカッコよく見えて、とても自分にはできないだろう。

と思いませんか?


この仕事をもう20年やっていると受け持った生徒さんも300人以上(ちゃんと数えたことない)になりますが、ドラムを習いにくるタイプって実はクラスの目立つタイプではない人も多いです。



昔の話になりますが、そんなある生徒のお話をお読みください。

彼(A君とします)は中学生で当時私の在籍していた音楽教室に入会しました。

A君はどう見ても運動部に入るような活発なタイプではなく、ボソボソと喋る静かなタイプでした。


ただ元々真面目なタイプだったのでしょう、レッスンを重ねるに連れて上達し、

特に自分がハマる音楽を見つけてからはさらに急激な伸びをみせました。



ある日、お母様よりお手紙をいただきました。


『先生いつもお世話になっております。〜中略〜

実は私たちは、Aの事を心配しておりました。本人には得意なものがなく、短いようで長い学生生活で、Aが自分に自信を持って自分自身を好きでいてくれるかと。阿部先生とドラムに出会えたおかげで、楽しんで生活してくれていることをとても嬉しく思い、感謝しています。』

というような内容でした。感動。


私個人としては、ただ普通にドラムレッスンをして、時には冗談を交えながら練習方法や奏法解説をしていただけだと思っていましたが、本人とご家族にとっては非常に大きな変革だったのでしょう。


その頃まだ私も30歳くらいで、そこまで高い意識でレッスンをしていなかったのですが、お手紙をいただいたことで、


何も持っていなかった人が、たった一つ特技を持つことによって、これだけ人生が豊かになるんだ。


と感じました。

自分の中でもレッスンの意識が変わった出来事でした。




阿部実

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